美山の伝統食

かやぶき集落群

かやぶきの里で有名な美山町は、京都府の中央部に位置し、

九割が山林で緑豊かな街です。

原生林もあり奥深い山林には太い大木も残っていますが、

戦後、日本経済の発展とともに、太い大木が多く伐採されました。

又、杉、桧の方が大切で大木は切り倒すのが大変で、簡単に

幹の皮を一周剥ぎ自然と倒木させたとちの大木をよく見ました。

特に今は栃の実の保護で伐採せず、保護の方向に向いています、

古来、何百年と続いた伝統食の栃餅を、一部この実を使って

栃餅を作っている高齢化した4名のグループがいます。

実を灰に漬けます

とちの実をあく抜き                  川の中で灰を洗い流す。

昭和52年より始め徐々に生産設備も整え

今では多く生産されるようになりましたが、

実拾いは、鹿・猪・熊との競争です。

栃餅は町の特産品として道の駅や近畿地方で販売し

全国から、なつかしい味を求めご注文を頂いています。

栃餅を作るには実の強いあくを取り除くことが大変な作業です、

栃の実と同量の良質な雑木の灰が必要なようで、

当工場のストーブの灰を一部使って頂いています。

電気の乾燥機も使用しますが、作業場では冬の時期は

やはり火力の強い薪ストーブを使用しています。

又、このストーブの上では熱を利用して、小物類の小割りした材料を

半年~10年ほど荒削りした材料を置き、割れ、ねじれ、ヒビ

を防ぐよう安定させています。

大木により出来る良い杢目を求め、20歳より近畿北部の銘木を伐採し、

家具を製造してきましたが、まさか灰まで利用できるとは思いもよらず

少しでも、微力ながら地域産業のお役に立つようにしています。